地域別最新動向と日本企業の対応
中国でのビジネス環境が大きく変わりつつある。人件費をはじめとしたコストや人民元レートの上昇、労働争議の増加などを要因として、とりわけ輸出志向の製造業は生産面で厳しい状況に直面しているところが少なくない。また、2012年9月に発生した大規模な大規模な反日デモが日本企業に中国リスクを再認識させたことは記憶にあたらしいところだ。
他方、日本国内市場が成熟化する中、拡大を続ける中国市場に対する日系企業の気体は依然として大きい。だが、中国市場には内外の企業が相次いで参入しており、戦争は激化の一途をたどる。
本特集では、中国におけるビジネス環境の変化の中で、日本企業が抱える課題や留意点およびその対応策について、地域別に概観するとともに、個別企業の事例も交えながら検証する。
変わるビジネス環境~日本企業の対応は~
>北京市
>遼寧省
>山東省
>上海市
>広東省
>湖北省/湖南省
>重慶市/四川省
>香港
* データ:2012年10月現在
凡例:
1. 在留邦人人数: 2011.10現在
2. 日系企業進出数:
3. 日本の貿易額: 2012現在
4. 日本からの投資額: 2012年実行ベーズ
北京市:
1. 在留邦人人数: 10,355人
2. 日系企業進出数: 727社
3. 日本の貿易額: 輸出$4.74B(12.9%減); 輸入$13.82B(17.7%減)
4. 日本からの投資額: $590M (23.5%減)
遼寧省:
1. 在留邦人人数: 7,120人
2. 日系企業進出数: 1,425社
3. 日本の貿易額: 輸出$10.12631B(7.8%減); 輸入$5.46351B(12.3%減)
4. 日本からの投資額: $2,145M (48.7%増)
山東省:
1. 在留邦人人数: 3,077人
2. 日系企業進出数: 424社
3. 日本の貿易額: 輸出$17.284B(2.6%増); 輸入$7.06415B(12.3%減)
4. 日本からの投資額: $990M (51.4%増)
上海市:
1. 在留邦人人数: 56,481人
2. 日系企業進出数: 2,187社
3. 日本の貿易額: 輸出$24.96813B(4.1%増); 輸入$32.349B(6.7%減)
4. 日本からの投資額: $2,550M (22.0%増)
広東省:
1. 在留邦人人数: 16,726人
2. 日系企業進出数: 1,939社
3. 日本の貿易額: 輸出$26.84B(8.3%増); 輸入$45.15B(6.7%減)
4. 日本からの投資額: $1,110M (60.9%増)
湖北省:
1. 在留邦人人数: 543人
2. 日系企業進出数: 129社
3. 日本の貿易額: 輸出$0.85B(3.0%減); 輸入$2.08B(7.1%減)
4. 日本からの投資額: $67.5M (37.5%増)
湖南省:
1. 在留邦人人数: 179人
2. 日系企業進出数: 61社
3. 日本の貿易額: 輸出$0.44674B(23.2%減); 輸入$1.23543B(11.8%減)
4. 日本からの投資額: $197.44M (39.2%増)
重慶市:
1. 在留邦人人数: 340人
2. 日系企業進出数: 137社
3. 日本の貿易額: 輸出$0.55226B(26.2%増); 輸入$1.33661B(10.6%減)
4. 日本からの投資額: $62.07M (28.0%減)
四川省:
1. 在留邦人人数: 533人
2. 日系企業進出数: 341社
3. 日本の貿易額: 輸出$1.41199B(35%増); 輸入$2.96463B(20.0%減)
4. 日本からの投資額: $369M (79.7%増)
香港:
1. 在留邦人人数: 22,184人
2. 日系企業進出数: 630社
3. 日本の貿易額: 輸出HKD143.96980B=$18.56361B(6.5%増); 輸入HKD311.6470B=$40.1840758B(2.2%減)
4. 日本からの投資額: \188,000M=$1,886.392M (59.2%増)
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変わるビジネス環境 ~日本企業の対応は~
-ジェトロ海外調査部中国北アジア課長 真家陽一
<中国の事業環境が大きく変化しようとしている。そんな中、中国ビジネスの再構築を迫られる企業が少なくない。日本企業はどのように対応しようとしているのか。ジェトロのアンケート調査と現地での聞き取りによる最新事情を交えながら考えてみたい。>
@輸出型企業の「拡大」志向に陰り
ジェトロは2012年10月から11月にかけて「在アジア/オセアニア日系企業活動実態調査」* を実施した。更にその後、中国現地で聞き取りを行った。まず、これらを踏まえつつ中国における日本企業を取り巻くビジネス環境の変化を見ていこう。
同調査で、「経営上の問題は何か」という問いへの回答を見ると、「従業員の賃金上昇」を上げた企業の割合は84.4%で最大である。その他、「現地人材の能力/意識」「競合相手の台頭(コスト面で競合)」、「限界に近づきづづあるコスト削減」、「従業員の質」などが上位に挙がった。進出企業にとっての経営課題はコスト面と労務面に大別できそうだ。
また、中国での今後の事業展開の方向性に関する問いに対し、「拡大」すると回答した企業の割合は52.3%に対し、前年比14.5ポイント低下した。反日デモの影響も考えられるが、人件費の上昇をはじめとするビジネス環境の変化による要因が大きいと思われる(図1)。
地域別に見ると、広東省、遼寧省、山東省と言った輸出比率(売上に占める輸出の比率)の高い地域で「拡大」すると買いとの回答が相対的に低い傾向が見られた(図2)。業種別では輸出比率が75.4%ト高い「繊維」では特に低いという傾向が見られた(図3)。これは安い労働力を活用して中国で生産し、海外へ輸出するという従来型のビジネスモデルでしんshユツした企業で、事業の拡大志向が低下していることを示している。
これらの地域に進出している日本企業には、人件費を始めとしてコスト上昇、人材の確保の困難さ、人民元レートの上昇(円安)といった問題を抱えているところが多い。
また、広東省では来料加工工場の法人化に伴う税務コストの増加* という同省特有の問題に直面している企業が少なくない。各社は、さらなるコスト削減、自動化や効率化による生産性の向上、従業員の福利厚生などの待遇改善、或いは国内販売の強化など、為替変動や日本の市況変化の影響を受けにくい事業スキームの構築で対応しようとしている。
@内販型企業は以前「拡大」志向
他方で、国内販売型の企業では相対的に強い拡大志向が示された。人件費の上昇は逆に言えば所得の上昇、即ち市場の拡大を意味する。実際、「拡大」すると回答した企業にその理由を尋ねたところ、「売上の増加」(85.2%)という回答が最も多く、次いで「成長性、潜在性の高さ」(49.0%)が挙げられた。中国市場の拡大に対する期待の高さが伺われる。
地域別に見ると、北京市、湖北省、上海市の内販比率(売上高に占める国内販売の比率)は8割を超える。いずれも「拡大」するとの回答割合が中国全体平均を上回っている。(図2)
業種別でも、同様の傾向を示した。事業を「拡大」すると回答した企業の割合は、製造業では内販比率が高い「食料品」「輸送機器器具」「化学/医療」(図3)、非製造業では「卸売/小売業」「運輸業」で拡大志向が高い。一方、輸出比率が69.1%と高い「通信/ソフトウェア業」で「拡大」するとの回答が75.0%に達したが、13年に入って多くのの企業が人民元高(円安)の影響を受けており、現時点では拡大志向は低下しているものとみられる(図4)。
これらの地域に進出した日系企業では
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